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好きな季節は何ですか?

 

私がそう質問されたら…

うーん。。。

決められません()

 

春かな、とも思ったのですが。

 

桜が大好きですし、寒い冬がやっと終わり、待ち望む季節ですから。

 

ですが、

 

「世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし」

 

という歌にもありますように、桜前線に一喜一憂してしまうのです。

 

見逃さないように…とあちこちの名所に想いを巡らせ、ソワソワと落ち着かない日々。

 身体はひとつしかありませんから、そうあちこちと桜巡りも出来ず、結局近場でお花見をするというのが恒例です。

 

桜を追って旅が出来たら…と毎年切望します。

 

琵琶を担いで全国津々浦々、演奏しながら桜とともに北上する旅!

 

憧れますね~。

 

 

新緑の頃は空気が清々しくなり、ホトトギスの声を待ち遠しく思う楽しみもありますが…

ですが、五月は湿度が上がり始めるころ。

 

ムシムシ感が苦手な私にとりましては、体調管理が意外と大変な時期なのです。

 

ですので、六月の梅雨の時期も辛い季節です。

 

 

夏はカラッとしていますが、やはり暑さは毎年厳しく。。

特に、今年の夏は日本中大変でしたね。

 

最も過ごしにくいと思われがちですが、実はプール好きな私。涼を求めて泳ぐのがとても気持ち良いです。

 

そして、日が落ちるのが遅いので、夕暮れ時の景色を長く楽しむことが出来ます。

 

ヒグラシの声も趣がありますよね。

 

この写真は夏の宵、19時頃。

まだまだ明るさは残っています。

 

 

 

 

そして秋。

 

夏バテの時期をなんとか乗り越えたら()、最も心や身体が安定する時期なのではないでしょうか。

 

そして紅葉も日本ならではの美しさ。

 

先日、長野県にて牡鹿の鳴く声を耳にしました。

 

夜の闇を切り裂くような叫び声に非常に驚いたのですが、

どうやら秋は繁殖期ということでして、求愛の鳴き声だったよう。

 

今の季節にしか聞くことの出来ない声だと思うと、なんとなくしみじみとした気持ちになりました。

 

色づく木々の葉だけではなく鹿の鳴き声も、

秋の風物詩のひとつとして

私の心に刻まれました。

 

 

冬。。。

寒いですよね。

苦手です。

 

ですが、朝焼けが大変美しいのです。

 

自宅近くの高台の公園から、遥か遠くまで一望することが出来ます。

 

 

 

刻々と夜が明けていく様子、そして朝日に照らされる木曽川。

 

冷たい空気を肌で感じながら、この贅沢な景色を心ゆくまで(寒さに耐え切れなくなるまで)眺めるひとときは最高です!

 

 この写真は冬の朝、6時半頃。

 

 

 

 ということで、それぞれの季節には、それぞれ心惹かれる想いがあり

 

「〇の頃が好きです」とはひとことで言えない…

 

ということが私の答えでした()

 

 

 その時その時の感じる「今」を、大切に味わって過ごしたいです。

 

 

日頃は、通り過ぎた季節を振り返ることはあまりしませんが、

今回はそれぞれの季節の景色や匂い、空気感、音、などを思い出しながら書きました。

 

四季がある日本は非常に豊かで、五感が研ぎ澄まされますね。

 

 

日本の古典文学に触れると、かつての日本人がいかに心豊かに移り行く季節を楽しんでいたのかが、非常に良く分かります。

 

 

「秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ」(左京大夫顕輔 新古今和歌集より)

 

「めぐりあひて 見しやそれとも 分かぬまに 雲隠れにし 夜半の月かな」(紫式部)

 

 

 

千年も前から、人々はそれぞれの思いを込めて月を見上げていたと思うと…、

まさに、「感慨深い」の一言ですね。

秋の夜、月の趣きを心ゆくまで楽しみましょう。