平家物語原文 / 坂田美子作曲
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり…」という平家物語の冒頭部分。栄華を極めても必ず終わりが来るという、世の無常を表現している。
祇王(ぎおう)
平家物語より / 坂田美子補詞作曲
平清盛(たいらのきよもり)の寵愛を一身に受けていた白拍子の祇王。しかし清盛は若く美しい同じ白拍子の仏御前(ほとけごぜん)に心を移す。祇王は世をはかなみ、わずか21歳で尼となり母、妹と共に嵯峨野の奥に引きこもる。しかし仏御前もまた、世のはかなさを悟り尼となって祇王のもとを訪れ、ともに仏道修行に努め極楽往生を遂げる。
横笛(よこぶえ)
平家物語より / 坂田美子補詞作曲
斎藤瀧口時頼(さいとうたきぐちときより)は建礼門院に仕える横笛の美しい舞に魅せられ、恋に落ちる。横笛も時頼に思いを寄せるが、身分違いのために二人の仲は裂かれ、時頼は許されない恋に苦しみ仏門に入る。逢いたいがために、人目を忍んで時頼のもとを訪れる横笛。しかし逢うことは叶わず、横笛も同じく仏門に入る。そしてはかなく19歳で命を終える。悲恋の物語。
俊寛(しゅんかん)
平家物語より / 坂田美子補詞作曲
平家を滅ぼさんとする計略が発覚し、俊寛は平判官康頼(へいほうがんやすより)、丹波少将成経(たんばのしょうしょうなりつね)と共に九州薩摩潟の鬼界ヶ島(きかいがしま)に流される。翌年、平清盛の娘の徳子(建礼門院)の懐妊により恩赦が出るが、俊寛のみ赦されず島にひとり残される。
僧都死去(そうずしきょ)
平家物語より / 坂田美子補詞作曲
俊寛の召使でった有王(ありおう)は、鬼界ヶ島(きかいがしま)に一人残された俊寛を探すため海を渡る。変わり果てた姿になった俊寛を見付けた有王。俊寛に、都にいる妻子がすでに死去したことを告げると、俊寛は絶望し、自ら食を断ち命を終えた。
ひよどり超え(ひようどりこえ)
坂田美子作詞・作曲
一ノ谷に陣を構えた平家を討つため、断崖絶壁である「ひよどり越え」(地名)の山頂に立った源義経。「鹿の通れる道ならば馬の通れぬはずはなし」と一気に馬で駆け下り、平家の背後をついて大勝利をおさめる。
敦盛(あつもり)
坂田美子編曲
一ノ谷の戦いで敗れ、沖へと逃げようとしていた平家の平敦盛(たいらのあつもり)は、源氏の武将である熊谷次郎直実(くまがいじろうなおざね)に呼び止められ一騎打ちをする。直実は敦盛が自分の息子と同じくらいの若武者だと知り命を助けようとするが、源氏の軍が押し寄せ、やむなく首を取らざるを得なくなる。のちに直実は出家し、敦盛の菩提を弔う。
知章最期(ともあきらさいご)
平家物語原文 / 坂田美子作曲
一ノ谷の戦いの敗走中、平知章(たいらのともあきら)は父、平知盛(たいらのとももり)を救おうと戦う。しかし源氏の兵に囲まれ、知章は父の目の前で首を取られてしまう。まだ16歳の若き武将であった。
平家物語より / 坂田美子補詞作曲
一ノ谷の戦いの敗戦後、夫である平通盛(たいらのみちもり)の死を聞いた小宰相(こざいしょう)。通盛の子を宿していたのにもかかわらず、悲しみのあまり船から身を投げる。
田中濤外作詞 / 坂田美子編曲
屋島の戦いにおいて、海上の平家と陸上の源氏が睨み合いをしていた時、平家方から扇を竿に立てた小舟が現れる。源義経の命を受け、弓の名手である那須与一(なすのよいち)は波風の荒い中、見事一矢で馬上から扇を射落とす。
栃木孝惟作詞 / 坂田美子作曲
元暦二年三月二十四日、壇ノ浦で行われた源平最後の合戦。平家は義経率いる源氏の軍に敗れ、八歳の安徳天皇(あんとくてんのう)は二位尼(にいのあま)に抱かれて入水。平家は滅亡する。
吉野山(よしのやま)
村山志野作詞 / 坂田美子作曲
「吉野山 峰の白雪踏み分けて 入りにし人の 跡ぞ恋しき」
源義経と静御前(しずかごぜん)の吉野山での別れを切なくつづる作品。
耳なし芳一(みみなしほういち)
ラフカディオ・ハーン原作 / 坂田美子作詞・作曲
壇ノ浦近くの阿弥陀寺にいた盲目の琵琶法師、芳一。琵琶の名手であったため、平家の怨霊に招かれ、夜ごと平家の墓の前で琵琶を弾き語っていた。これを知った和尚に、怨霊から身を守るため全身に経文を書いてもらうが、書き忘れられた両耳は引きちぎられてしまう。
湖水乗切(こすいのっきり)
葛生桂雨作 / 坂田美子編曲
「本能寺の変」の後の「山崎の戦い」にて、明智光秀は羽柴秀吉に敗れる。明智光秀の重臣であった明智左馬之介光俊(あけちさまのすけみつとし)は、敗走中に退路を断たれ、愛馬「大鹿毛(おおかげ)」と共に琵琶湖に飛び込む。そして見事渡り切り、秀吉の軍から逃れた。
川中島(かわなかじま)
吉永經和作 / 坂田美子編曲
甲斐の武田信玄と越後の上杉謙信とが、北信濃の川中島にて数度に渡り戦いを行った。激戦のさなか、謙信が自ら武田軍の本陣に突入し信玄に太刀を浴びせる。
月下の陣(げっかのじん)
作詩者不詳 / 坂田美子編曲
上杉謙信の作とされる漢詩を交えながら、夜のとばりの中で故郷を思い自ら奮い立たせる兵士の心情を表したもの。
西郷隆盛(さいごうたかもり)
葛生桂雨作 / 坂田美子編曲
征韓論に敗れ、鹿児島に戻った西郷隆盛は西南戦争を起こし官軍と戦う。その戦場となった城山(しろやま)で西郷隆盛が自刃する。
白虎隊(びゃっこたい)
小田錦蛙作 / 坂田美子編曲
戊辰戦争の際に、15~6歳の会津藩士の子弟で編成された白虎隊。新政府と戦うが飯盛山に敗走。燃え盛る会津を見て落城と思い誤り、生き残った20人全員が自刃する。
鶴(つる)
坂田美子作詞 / 作曲
日本の民話「鶴の恩返し」の話。
ある男に助けられた鶴が、美しい女に変わり男のもとを訪れる。やがて男の妻となり珍しい織物を織る。しかし、自分の羽を抜いて機を織っているところを男に見られてしまい、鶴の姿に戻って飛び去っていく。
雪女(ゆきおんな)
ラフカディオ・ハーン原作、坂田美子作詞 / 作曲
二人のきこりが吹雪の中、道に迷い小さな小屋にたどりつく。雪女があらわれ、茂作(もさく)の命は奪うが、若い巳之吉(みのきち)は助かる。やがて時がたち、巳之吉のもとへ「おゆき」という名の嫁が来た。しかしおゆきの正体は雪女であった。
杜子春(とししゅん)
芥川龍之介原作、坂田美子作詞 / 作曲
貧しい杜子春は仙人の力で二度も大金持ちになる。しかし、金の有り無しで態度を変える人間に嫌気がさした杜子春は、仙人に弟子入りをするが…。
竹取物語(たけとりものがたり)
坂田美子作詞 / 作曲
竹取翁(たけとりのおきな)によって竹の中から見いだされ、育てられたかぐや姫。美しく成長した姫は数多くの求婚を退け、帝とは文を交わす仲になったのだが、月の世界へと帰っていく。
お七(おしち)
坂田美子作詞 / 作曲
八百屋の娘お七は、江戸の火事で出会った吉三郎(きちさぶろう)に恋い焦がれ、もう一度会いたい一心で家に火をつける。火つけの罪により捕らえられたお七。かけつけた吉三郎は「先に冥途で待つ」とその場で腹を切る。
ヤマタノヲロチ
坂田美子作詞 / 作曲
出雲の国の肥河(ひのかわ)の上流に住み、八つの頭と八つの尾を持つ八岐大蛇。スサノオノミコトが退治し、尾を切り開いてみると中から三種の神器のひとつである「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」が現れた。
六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)
源氏物語より、坂田美子作詞 / 作曲
葵祭(あおいまつり)の車争いにて、六条御息所は光源氏(ひかるげんじ)の正妻である葵上(あおいのうえ)に負けて深く傷つき、妬みや恨みが増していく。やがて魂が意思とは無関係に身体から抜け出し、生霊(いきりょう)となって葵上に取り憑く。
清水の井(しみずのいど)
岡本綺堂原作、坂田美子作詞 / 作曲
とある豪商の井戸の底に、夜な夜なふたりの美しい男の顔がうつる。豪商の姉妹がその男に恋をし、夜中に起き出しては井戸の底をのぞき込む。やせ細っていく娘たちを見て心配した主が井戸をさらうと、底からふたつの鏡が現れる。その鏡と男から紐解かれる物語とは・・・
三尺の箸(さんじゃくのはし)
坂田美子作詞 / 作曲
仏教説話。三尺とは1メートル程の長い箸。地獄では、箸が長いため食べ物をつまんでもなかなか口に入れることが出来ない。そのため、人々は全く食事が出来ず苛立っていた。
しかし、極楽では皆が和やかに食事をしていた。三尺の長い箸を使って・・・
琵琶百物語(びわひゃくものがたり)より
~耳の中の小人~
溝入敬三作詞 / 作曲
琵琶が登場するちょっと不思議な物語。
ある日、「私」が琵琶のお稽古をしていると、耳の中からかすかな声が聞こえてきて‥‥
蘇州夜曲(そしゅうやきょく)
西條八十作詞 / 服部良一作曲 / 野島洋美編曲
月ぬ美しゃ(つきぬかいしゃ)
沖縄民謡 / 野島洋美編曲
雨降りお月さん
野口雨情作詞 / 中山晋平作曲 / 野島洋美編曲