今年は春の足音が早く聞こえておりますね。
桜咲く3月26日、記念すべき初めての演奏会を開催いたしました。
場所は愛知県丹羽郡扶桑町の川田家住宅さまにて。国の有形文化財に登録されております歴史ある素晴らしい古民家です。
あいにく、その日は雨。朝からしとしと降り続いておりました。
「お客さまは来ていただけるのだろうか…」と内心不安で一杯でしたが、お足元の悪い中を多くの方が聞きに来てくださって本当に嬉しかったです!
曲目は「祇園精舎」「扇の的」「吉野山」そして「朧月夜」
琵琶といえばやはり「平家物語」ということで、それにかかわる内容の曲目を選びました。
琵琶は弾き語りですので、物語は耳で聞いて内容を把握します。
「少しでも曲の内容が伝わりますように…」
「情景を思い浮かべることが出来ますように…」
そう願いながら演奏いたしました。
曲に気持ちを傾けていても、お客さまの様子は感じられます。
皆さまが耳を傾けて真剣に聞いてくださっている様子がひしひしと伝わり、それが私の気持ちを後押しし、撥を持つ手もつい力が入りました。また、琵琶の語りも気持ちをたっぷり注ぐことが出来ました。
『演奏とは、聞き手と弾き手で作り上げるもの』なのですね!
初めての気付きでした。
演奏終了後に、お客さまからいろいろお声をかけていだきまして嬉しかったです。
その中でも「祇園精舎の曲がしみじみと心惹かれました。」との感想をいただき、胸がいっぱいになりました。
まさに、前回のブログでも書きましたが、
『演奏者と聞き手が一体となり、その場の空気を共有し、そして思いを分かち合う。
その時の自分の心情と、その時響いた音楽が胸の中でまじりあい、思いが沸き上がる…』
ですね。
これこそが生演奏の醍醐味なのだと思います。
最後に「朧月夜」を最後に皆さんと一緒に歌ったのですが、皆さまが大きな声で歌ってくださって本当に嬉しかったです!
コロナ禍で押し殺していた気持ちが解き放たれたような、皆さまの伸びやかで力強い歌声!とても力をいただきました。
また、琵琶を体験する時間を設けたのですが、皆さんが琵琶を触ってくださいまして、にぎやかで楽しいひとときとなりました。
どうもありがとうございました!
今回初めての演奏会でしたが、多くの方のご協力のもと無事に成功いたしましたこと感謝の気持ちで一杯でございます。
『一人でも多くの方に琵琶の音色をお届けすること。
そして、この希少な楽器を次の世代に繋げていくこと。』
これが私の夢…いえ、琵琶奏者としての使命だと思っております。
一歩一歩、これからも頑張りたいと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
琵琶をお聞きになりたい方。どこへでも演奏に伺わせていただきます。
是非お気軽にお声をおかけくださいませ!