今年の夏は例年になく暑い日々が続いておりますね。
演奏当日の8月5日も日中は大変暑かったのですが、
犬山市付近は前日の4日はかなり激しい夕立があったとのこと。
そのせいか、その日も夕立雲が近くを通り過ぎていたということもあり、宵は風も出て涼しさを感じるほどでした。
今回はご縁を頂き、木曽川鵜飼観覧の屋形船にて琵琶演奏をさせていただけることになりました。
18時頃、お客さまが船に乗り込みます。
そしてお食事を始められたタイミングで琵琶演奏がスタート。
この日の曲目は「祇園精舎」「扇の的」「壇ノ浦」。
まさに平家物語一色でございました。
川面を走る風を感じながら、ゆったりと進む舟に身を任せての琵琶演奏。
なんて贅沢なひと時。
こんなに優雅な気持ちで演奏させて頂けたのは初めての経験です。
犬山城も舟の中からですとより雄大な感じが致します。
平家の人々は源氏に追われ、最期はほとんど船上にて過ごしました。
一体どんな気持ちで船の中にて、たゆたう流れを感じていたのでしょう。
船上での演奏は、自然と平家の人々の心に
気持ちが向かいます。
そして、琵琶の演奏が終了。
日没後、辺りが暗くなってから鵜飼が始まります。
1300年もの伝統ある木曽川鵜飼。
鵜匠の方の巧みな手縄さばき
独特な掛け声
赤々と燃えるかがり火。
いにしえの時代に戻ったかのような風情ある光景でした。
そして鵜が水中にもぐり、川魚を捕らえる様子は息を呑むほど。
鵜舟が近かったので非常に見ごたえがありました。
対岸には多くの方が見物に来ておりました。
やはり夏の風物詩ですものね。
そして最後は犬山城をバックに花火が上がり、観客からは大歓声。
心地よい余韻を感じながら、屋形船も船着き場へと戻ります。
今回は船上で演奏させていただき、お客様にも琵琶語りをお喜びいただきまして、私も大変嬉しく思いました。
心に残る、夏の船上でのひととき。
きっと生涯忘れることは無いと思います。
素晴らしい経験をさせていただきましたこと、心から御礼申上げます。