
2025年4月20(日)、『琵琶の音色とともに聴く物語』と題した演奏会を、岐阜県御嵩町の「商屋竹屋」さまにて開催いたしました。
「商屋竹屋」さまは、江戸時代の主要街道“中山道”の宿場町、“御嶽宿”のなかにあります。
御嶽宿の”豪商”であったこの建物は、江戸時代の建築様式を色濃く残しているとのこと。

一歩足を踏み入れた瞬間から時の流れが変わるような、そんな心地よさを感じさせてくれる広く立派なお屋敷です。
風格ある佇まい、広い奥座敷、そして庭園。
奥にはお茶室や、大正時代に建てられたという土蔵も。
まさに豪商としての当時の面影を残しております。
主屋とお茶室は御嵩町指定有形文化財に指定されているとのこと。
街道を多くの人や行き来し、賑わいを見せていた時代を垣間見るような風格ある建物。
現在は資料館として無料で見学することが出来ます。

その素晴らしい商屋竹屋さまにて演奏をさせていただき、皆さまと共に琵琶の音色を分かち合えましたこと、私にとりましても非常に幸せなひとときでした。
遠方(石川県、山梨県)から足を運んでくださった方もいらっしゃいまして、本当にありがたい限りです。
お客さまからは、「この世のものとは思えない響きです」とのご感想もいただき、琵琶という楽器が持つ力を改めて感じさせていただきました。
私自身も、演奏を通して皆さまと心が通い合うのを感じ、とても楽しく温かな時間を過ごすことができました。
演奏会の最後には、皆さんと一緒に「朧月夜」を歌い、会場が歌声と笑顔で溢れ、心に残る締めくくりとなりました。
デジタルでは決して伝わらない生の響き、生のふれあい。
その場に集った方々と時間を共有し、想いを交わすということ。
これからも大切にしたいです。

今回、素晴らしい場をご提供くださいました御嵩町さま、そして商屋竹屋さまに、心より御礼申し上げます。
そして、ご来場くださいました皆さま、本当にありがとうございました。
琵琶が結んだご縁に幸せを感じております。
慌ただしい日常から少し離れ、琵琶の音色とともに物語の世界にそっと身をゆだねる…。
そんな“心静かに物語を聴くひととき”を、これからもお届けしたいと願っております。