2025年秋から始まる朝の連続テレビ小説は小泉八雲の妻、セツをモデルにしているとのこと。
タイトルは「ばけばけ」です。
「化ける」という言葉を軸に、人々の暮らしが時代の流れとともに変化していく中、セツが小泉八雲とともに”名もなき人々の物語”を紡ぎ出していく…そんなストーリとのことです。
小泉八雲は明治時代に活躍した作家です。
本名はラフカディオ・ハーン。
著書は「耳なし芳一」「雪女」「ろくろ首」「のっぺらぼう」などの『怪談』が有名ですね。
これらの物語は、セツが八雲に語り聞かせた”民話”がもとになっているそうです。
その小泉八雲のゆかりの地”島根県松江市”の姉妹都市でありますのが”愛知県大口町”。
今回、大口町さまのご依頼を受けて琵琶演奏をさせていただきました。
演奏いたしましたのは小泉八雲の「耳なし芳一」です。
”子ども対象講座”ということでしたので、小学生の女の子が聞きに来てくれました♪
大人の方も大勢受講してくださいまして、嬉しい限り。
まずは、事前に作成しました資料をもとに、琵琶についてのお話をいたしました。
琵琶の歴史、楽器についての説明、音の出し方、楽譜の読み方、などなど。
途中で受講生の方々に私から質問を投げかけたり、逆に質問をお受けしたり…。
和やかな雰囲気のもと、講義が進みました。
琵琶についての講義の後は「耳なし芳一」の演奏です。
今回はお時間の関係で、カットバージョンのお届けとなりましたが、皆さんお楽しみいただけたようで良かったです。
最後には琵琶体験!
もちろん小学生の子どもたちも!
子どもが琵琶を抱えている姿を見ると、”ジーン”と胸が熱くなります。
私の弾く「薩摩五弦五柱琵琶」は桑の木から作られております。
ですが琵琶の材料となるこの桑材が、もうあと10年分しか、琵琶屋さん(日本に一軒のみ!)に無いのです。
ですので、小学生が大人になる頃にはもう桑の木で出来た琵琶は生まれなくなるということです。
※桑の木は御蔵島(伊豆諸島)から伐採し、伐採後10年間寝かせてから琵琶が作られます。
御蔵島にはまだ桑の木(というか桑の森)はありますが、木を切る方が高齢になってしまい、伐採することが難しくなってしまったのです。
なんとも悲しい現実。
なんとかしたい、なんとかしなければ…。
琵琶奏者は皆その思いを抱えながら琵琶と向き合っております。
ですので今回のように、子どもたちに琵琶に触れる機会をいただけたことは非常に有難く嬉しいことでした。
絶滅危惧種である琵琶。
生の音色を耳にするのは「一生に一度あるかないか」。
そんな残念な現状ですが、少しでも多くの方にこの和楽器に触れ、美しい響きを身体で感じていただきたい。
そう願いながら活動をしております。
次回の講座は8月31日。
今度はさまざまな琵琶(楽琵琶・平家琵琶・盲僧琵琶・薩摩琵琶・筑前琵琶)について、実際にCDで音源を聞き比べながらお話をいたします。
楽琵琶の演奏(ソロ)はなかなか聞く機会が無いと思いますので、きっとお楽しみいただけるはず!
そして講義のあとは小泉八雲原作の「雪女」を演奏いたします。
考えるだけでもワクワクが止まらないです。
もしかしたら私が一番待ち遠しいかもしれません。
次回も皆さま(特に子どもたち)に楽しんでいただけますように!(^^)!
