
今日、久しぶりに伊勢神宮を訪れました。
秋が進んでいるのにもかかわらず、参道の常緑樹は青々とみずみずしく生命力に溢れていて、ゆっくり歩いていると自然に呼吸が深まって行きました。
静寂の中に身を置くと、自分と自然との境目が無くなっていくような、そんな不思議な感覚に包まれます。
静寂と言っても、もちろん無音ではありません。
木々を揺らす風の音、木の葉がカサッと地面に落ちる音、鳥のさえずり。
光のきらめきも、まるで透明な音のように心に響きました。
そうそう、海沿いの神社にもお参りに行ったのですが、そこで久しぶりにトビの鳴き声を耳にしました。
「ピーヒョロロ」
頭上近くまで飛んで来てくれたので、なんと声の響きの大きいこと。
青い空がグンと高くなり、なんだか私も羽ばたけそうな気持にさせてくれるような、そんな清々しい鳴き声でした。

音が心に及ぼす力は大きいですね。
自分にとって本当に心地よい音、その音以外の余計なものを排除した世界。
それこそが静寂であり、
そしてその静寂の中にこそ、本来の自分の心が息づいているのではないかと、そう思います。
心と向き合い、己を知り、進むべき道を定め、信念を持って歩く。
「孤独」ではなく「孤高」。
実際はなかなか難しいですが、憧れです。
せめて「孤高」とまでは行かなくても、
”静寂の中で自分の心を知る時間”、を大切にしながら生きていきたいと思います。
わが心 奥までわれの しるべせよ わが行く道は われのみぞ知る(拾玉集)