どんな展示であるのか、全く予備知識が無いまま足を運びました。
10時開館で少し前に到着したのですが、すでに長蛇の列!
人気の高さがうかがえます。
人の流れに乗って会場に入るとビックリ。
「正倉院 THE SHOW」はまさにショーそのものでした。
巨大なスクリーン一面に映し出される映像。
非常に鮮やかで、息を呑むほどの美しさ。
なんでも正倉院の宝物を、360度からスキャンして取得した3Dデータをもとにして作られたとのこと。
映像は非常に高精度で、通常の展示において肉眼では捉えにくい細部の様子や質感も表現しています。
現代の技術の素晴らしさに、ただ驚かされました。
と同時に、1300年ものあいだ、9000点に及ぶ宝物を守ってきた正倉院の凄さをひしひしと感じました。
なんだか不思議ですよね。
現代の最先端の技術によって、遥か昔の文化の素晴らしさををより強く感じることが出来るなんて。
今回の私の目当てはもちろん「螺鈿紫檀五弦琵琶」。
この琵琶は、まさに正倉院を代表する宝物。
人気ナンバーワン。
そして世界で唯一現存する「直頸(ネックが真っ直ぐ)の五弦琵琶」です。
夜光貝の螺鈿細工や玳瑁(たいまい/べっ甲)の装飾が大変華やかですよね。
ただ、こちらは再現模造です。
模造品とはいえ、宮内庁正倉院事務所が
『本物の正倉院宝物をもうひとつ造る』
という意気込みのもと、人間国宝や伝統技術保持者の方々と共に総力を挙げ制作したものです。
この復元模造の琵琶、8年ががりと言われておりましたが、じつは事前調査や材料の調達や試作品製作期間を含めますと、なんと18年もの歳月がかかってるとのこと!
凄いですね。
実際の正倉院の宝物は1300年も経っているわけですから極めてデリケート。
もちろん劣化も時代と共に進行しています。
ですので頻繁に展示することは損傷を防ぐために避けなければなりません。
ちなみに本物の「螺鈿紫檀五弦琵琶」が正倉院にて展示されたのは、今から15年前。
平成22年(2010年)でした。
このような復元模造のお陰で、
正倉院以外の場所で、しかも何年もの期間を待たずに拝見させていただけるというのは、本当に有難いことだと思います。
もう一つ、感動したのが「小石丸」。
なんだか可愛い名前ですよね。
小石丸とは、日本古来の在来種の蚕でして、最も細く、そして柔らかでしなやかな糸をはきます。
昔、絹は重さで取引されていたため、大きな繭で糸の太いものが好まれました。
小石丸の繭はあまりにも小さく繭糸量も少なかったため、姿を消してしまったとのこと。
ですが、現在は皇居内の「紅葉山御養蚕所」にて皇后陛下が飼育なさっております。
その小石丸の写真です。
普通の繭と見比べると、小石丸の光沢の美しさがお分かりになると思います。
琵琶の絃は絹糸です。
復元模造「螺鈿紫檀五弦琵琶」の絃も、上皇后陛下がお育てになった小石丸の繭からつくられたとのこと。
こんな上質の絹から生まれた絃。
どんな響きだったのでしょうね。
正倉院とは9000もの宝物を1300年近く守り伝えてきた奇跡の宝庫。
それは人々が時代を超え守り抜いてきたからこそ。
美しい映像に囲まれ、私も悠久の時の流れに身を置きなら、過去から未来へと思いを馳せることが出来ました。
改めて日本に生まれた喜び、琵琶に出会えた幸せを噛みしめることが出来た一日。
本当に素晴らしい体験をさせていただきました。
ありがとうございました!
願わくば、閉展までにもう一度行けたらいいなぁ。


